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ベンチャークラブ2001年8月号

「日本の起業家300 シニアベンチャー」

周囲の反対をよそに 独自理論のスピーカーで起業

 故郷・奈良北部のハイテク団地にオフィスを構えるタイムドメイン社長由井啓之(よしいひろゆき)氏(65)は、根っからの技術屋である。大阪・枚方にあるオンキョーで、オーディオ開発に携わり、そこで生み出された「タイムドメイン理論」に基づいたオリジナルスピーカーを製造販売している。
 オンキョー時代の研究成果は、類いまれな音の響きを持つスピーカー「GS1」として海外グランプリを受賞するほど評価を得た。15年前のことである。しかし、業績不振で交代したオンキョー新経営陣は、すぐカネにならない研究は続けられないと、由井氏に研究継続断念を告げる。
 そこに当時アスキー社長だった西和彦氏が現れ、由井氏のために今度はアスキーのオーディオ・ラボが用意された。が、西氏退陣と同時に、ラボは頓挫。途方に暮れる毎日が続く。
 由井氏は腹をくくる。60歳をオーバーして、なぜそこまでリスクをとるのか。周囲の反対をよそに、1997年11月、自前の会社を起こし、「タイムドメイン理論」の普及に乗り出した。
 マーケティングにカネをかける余裕はない。機会があれば、スピーカーを車や飛行機に載せ、実演に走り回る。「4月下旬にパリのショーで出品したら、えらい反響でしたわ。」
 スピーカーは受注があれば、東大阪市の中小企業仲間が、協力して製造してくれる。これまでに400台以上が売れた。一式で30万円。決して高くない。PRがもっと上手ならば、もっと売れるはずだ。
 奈良郊外で地道にコツコツと製造に勤しむ由井氏に、マネジメントで片腕となる人材の登場が待たれる。
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